「スクワットがいいって聞くけど、何に効果があるの?」
「いろいろ本とか買って見たけど、いまいちよくわからない」
「自分のフォームが出来ているか不安」
というように、スクワットに関して、疑問や不安に思われている方も多いのではないでしょうか?
そんな今回は、スクワット動作のポイントや使う筋肉の確認、どのような効果があるかなどについて書いていきたいと思います。
Contents
スクワットとは

スクワットとは、直立した状態から股・膝・足関節を曲げ伸ばしして行う運動を言います。
特に、ももやお尻など脚回りの筋肉を中心として使っていきます。
ベンチプレスとデッドリフトと並び、ウエイトトレーニングのビック3と言われています。
どこを使うの?

スクワットは、キングオブエクササイズ(運動の王様)と呼ばれるくらいとても重要なトレーニング法です。
その理由の1つは、この動作だけでとても多くの筋肉を使っていくから。
一緒に使う筋肉を確認していきましょう。
メイン
殿筋群

お尻の筋肉は、スクワット動作でも特に深く下にしゃがみこんだ時に使われていきます。
お尻の筋肉は、「大殿筋」「中殿筋」「小殿筋」の3つに分けられます。
これらの筋肉は、抗重力筋とも呼ばれ、身体をいつまでも快適に保つためにすごく重要な場所です。
腸腰筋

お尻の筋肉の逆側の作用をするのが、この腸腰筋。
ここは股関節を曲げる作用があります。
これが働かないと、股関節の上にある「腰」に過度な負担がかかります。
安全にスクワットを行うためにも、しっかりとこの筋肉を使っていく事が大切です。
大腿四頭筋

大腿四頭筋はもも前にある筋肉。
起き上がり動作や膝がグラグラしないように安定させてくれます。
ここの筋肉が弱いと膝を痛めやすくなってしまうため、注意が必要です。
ハムストリングス

ハムストリングスは、ももの裏側にある筋肉で「大腿二頭筋」「半腱様筋」「半膜様筋」の総称です。
この筋肉は、膝を曲げたり、股関節を後ろにする時に働いていきます。
3つ筋肉は、脚の骨(大腿骨)のねじれにも関わるため、それぞれのバランスを良くしていく事もポイントです。
内転筋群

内転筋群は内股の筋肉です。
股関節を閉じる動作で使われます。
O脚になりやすい人は、この筋肉が弱ってしまっている可能性があります。
スクワット動作で内転筋を使う割合を高くしたければ、通常のスタンスよりも足幅を広げていく事がオススメです。
サブ
前脛骨筋

前脛骨筋はスネの前にある筋肉です。
つま先を膝に近づけるような動作で働いていきます。
スクワット動作では、しゃがみこむ動作の時に特に重要になり、これが働かないと、うまくしゃがみこめません。
その結果、上半身を無理に倒すという代償動作が生まれてしまうため、腰を痛めやすい傾向にあります。
広背筋

広背筋は肩甲骨を下にさげ、胸を張った状態を保つ上でとても重要な筋肉です。
またこの筋肉は、お尻の筋肉と強力な筋膜で繋がっています。
この筋膜をしっかりと緊張させた状態で、スクワットが出来ると安定した動作を獲得する事が可能になります。
菱形筋

菱形筋は、肩甲骨を寄せる時に使われる筋肉です。
スクワットをする際は、バーを肩の上に乗せていきますが、その時にはしっかりとこの筋肉を締めておく事が重要です。
この筋肉が働いていないと、背筋が曲がり、腰を痛めてしまう可能性があります。
腹筋群

腹筋は腰が反り過ぎないように、腹圧を高める時に使う筋肉です。
ここがしっかりと締まり、お腹の中の圧が高まっていると、力強く重りを持つことが可能になります。
スクワットやってみよう!

使う筋肉を確認したところで、スクワットのやり方やポイントなどを確認してみましょう。
正しいフォーム


手順①足幅を肩幅、つま先をやや外に向けます。
手順②靴ひもの真下に重心を置き、股関節を主体にし、胸を張りながら、身体を下ろします。
手順③ももが床と平行から膝が90度の間くらいを目安に下げます。(自分のレベルに合わせて)
手順④靴ひもの真下で地面を押すようにして、身体を持ち上げます。
手順⑤これを繰り返す。
ポイントを抑えよう
姿勢をキープする

横から見たときの目安としては、スネと上半身を平行にさせることです。
このバランスが崩れてしまうと怪我をしやすくなります。

これは、身体が真っ直ぐでスネが前にでいます。
こちらのパターンは膝を痛める可能性が高いため、注意が必要。

こちらは逆に、上半身が過度に曲がり、スネが真っ直ぐ、つま先が浮いてしまっている状態です。
この状態だと、腰にかかる負担が大きいため、注意が必要です。
膝とつま先の向きが合っていない

スクワットをする際は、つま先の位置と膝の向きをしっかりと合わせていく必要があります。
上の写真のパターンは非常に多い例で(特に女性)、つま先が外に膝が内側に入っています。
これを専門的には「ニー(膝)イントゥー(つま先)アウト」と呼んでいます。
この状態だと、ももの骨とスネの骨に捻じれが生じてしまうため、靭帯や半月板などを痛める可能性が高くなってしまいます。
身体のバランスが悪い

骨盤の高さや肩の高さの違いが大きい状態でスクワットをすると、左右差からの怪我に繋がる可能性があります。
この写真だと、左のお尻、右の背中などが特に弱い傾向です。
左右差が大きい場合は、一度身体のバランスを整えるような運動を入れてからスクワットをしていくことが重要になります。
スクワットの効果

「スクワットをすると身体にいい!」
という情報はよく目にするかと思いますが、実際に何にいいのでしょうか?
日常動作の改善
スクワットは、しゃがみこみや起き上がりなど日常生活で多く使う動作に似ています。
そのため、この動作をしっかりと習得すれば、日常生活を今よりも楽に送ることができるようになります。
また正しい動作が身につけば、それだけ怪我をするリスクも低下するため、膝痛や腰痛の予防にもなると言えるでしょう。
マシンとの違い

スクワットのようなトレーニングは、マシンのように動く軌道が決まっている運動でない為、フリーウエイトと呼ばれています。
両者の違いは、
「マシン」
・軌道が決まっている為、初心者でも出来る。
・日常的な動作には似ていない。
・決まった筋肉を集中して鍛えられる。
「フリーウエイト」
・軌道が決まっていない分、多くの筋肉を協調させる必要がある。
・日常的な動作に近い動きになる。
・1つの動作でたくさんの筋肉を使う事が出来る。
といった感じです。
両者はどちらが良い悪いでなく、一長一短ですね。
自分の目的やトレーニング歴に合わせて、合うものを行なっていく事が重要になっていきます。
正解は1つではありません。

ここまで、スクワットのあれこれについて解説していきました。
今回ご紹介したスクワットのポイントは、あくまでオーソドックスなものです。
スクワットは運動の王様なので、そのバリエーションは何百通りとあります。
そのため、これが絶対のスクワットだというものはありません。
大切なことは、何に焦点を当てるか。
目的によって、つま先の位置や脚の幅、動かし方など押さえるポイントは変化していきます。
ぜひ、自分の目標に合わせたスクワットを行なっていてください。