「この食材はビタミンがたくさん含まれています!」

「しっかりとビタミン補給しましょう!」

とはよく聞くことですが、実際にビタミンとはどんな働きや効果があるかご存知でしょうか?

そんな今回はビタミンについて、効果や種類、オススメの食べ物、またサプリメントについてなどを書いていきたいと思います。

ビタミンとは?

ビタミンの名の由来や数ある種類について解説していきます。

ビタミンについて

ビタミンの由来は、ドイツ語のビタ(生命)とアミン(窒素化合物)というところから名付けられたと言われています。

人間が生きていく上で必要な栄養素のうちの炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物の総称です。

炭水化物・タンパク質・脂質と比べると、身体にとって必要量は微量になりますが、

身体の中の代謝に非常に重要な働きがあります。

基本的には自分自身で作り出すことが出来ない為、食物から摂取する必要がある栄養素です。

種類や効果は?

ビタミンには、水に溶けない「脂溶性ビタミン」と水に溶ける「水溶性ビタミン」の2つに分けることが出来ます。

脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンはA・D・E・Kの4種類があります。

アブラに溶け、小腸で吸収されていきます。

ビタミンA

ビタミンAとは、レチノール、レチナール、レチノイン酸及びこれらの3-デヒドロ体と、その誘導体の総称です。

主にヒトの血液中のビタミンAのほとんどがレチノールです。

血液中の濃度は約0.5μm/ml程度ですが、0.3μm/mlをきるとビタミンA欠乏症となります。

これが欠乏すると、皮膚や網膜障害になりやすくなると言われています。

ビタミンAを簡単にとるには、ビタミンA前駆体であるβ-カロテンを多く含む食材を摂ると良いでしょう。

それは緑黄色野菜。ニンジン、ピーマン、ホウレンソウ、コマツナ、カボチャなどがオススメです。

ビタミンD

ビタミンDは、ビタミンD2とビタミンD3に分けることが出来ます。

ビタミンD2は植物に、ビタミンD3は動物に多く含まれます。

ビタミンDは腸内からカルシウムイオンを吸収する作用を持っていて、骨などに大きな影響を与えます。

不足すると、骨粗鬆症などの症状になりやすくなります。

ビタミンDをしっかりと機能させるには、キノコ類や魚類(小魚がオススメ)をしっかりと補給するといいでしょう。

また、紫外線を浴びることも大切なので、適度に日光を浴びることもビタミンDを活性化させるポイントになります。

ビタミンE

ビタミンEは抗酸化ビタミンの1つで、ビタミンCと共に身体の酸化を防ぐ働きがあります。

欠乏すると、成長障害や冷え、生理不順などになりやすくなります。

ビタミンEはアーモンドや大豆などの種子類や青魚に多く含まれます。

ビタミンEの摂取が1日に1600mg/日を超えると血液中の濃度が一定となり、それ以上服用しなくても吸収されないことがわかっています。

ビタミンK

ビタミンKはドイツ語で「血液の凝固」という意味で、その名の通り血液を固めることや組織の石灰化に関わっているビタミンです。

不足すると、ビタミンK欠乏性出血症や血液の凝固作用の低下に繫がります。

食べ物では納豆や小松菜、モロヘイヤ、ホウレンソウなどに多く含まれます。

余談:ビタミンKと対になる薬で、血液を固めないための抗血液凝固薬である「ワルファリン」があります。これを服用している人は、納豆などビタミンKを多く含む食材はオススメではありません。

水溶性ビタミン

水溶性ビタミンはB群(8種類)とCの計9種類です。

水に溶けるビタミンで、こちらも小腸で吸収されていきます。

ビタミンB群

ビタミンB群は、B1(チアミン)B2(リボフラビン)B3(ナイアシン)B5(パントテン酸)B6、B7(ビオチン)B9(葉酸)B12(コバラミン)です。

ビタミンB群はビタミンの中でも特に重要で、不足すると、

・動脈硬化

・脳卒中

・糖尿病

・がん

・うつ

などの症状を引き起こしやすくなります。

これは現代病全般に影響する栄養素と言えるでしょう。

活力を左右するエネルギーの生産や、血液、自律神経などに関わります。

ビタミンB群は魚やお肉などの動物性タンパク質に多く含まれます。

動物性タンパク質は、消化不良が難点となるため、そのために繊維質である野菜を一緒に摂っていくことで、これらの特徴を引き出してくれると言えるでしょう。

ビタミンC

ビタミンCは、ビタミンEと共に抗酸化作用のあるビタミンです。

これは水溶性ビタミンのため、摂りすぎても尿や汗などで体外に出ていきます。

風邪などの病気予防などに効果的な栄養素です。

食材では、果物や野菜に多く含まれる栄養素。

酸味の強い果物ほどビタミンCが豊富だと思われがちですが、実際に酸味の多くはクエン酸によるものです。

酸味がまったくないにも関わらず、豊富なビタミンCを持っている食材は沢山あります。

ビタミンが不足すると

ビタミンが不足すると、身体にとって様々な症状を引き起こします。

・もの忘れ・せき・風邪・うつ・鼻づまり

・高血圧・糖尿病・不眠・肥満

などです。

特に風邪などの体調面だけでなく、うつなどの現代病や生活習慣病などのリスクも向上していきます。

また不足しがちだからと言って、沢山のビタミンを補給したとしても、一度に体が吸収できる量は決まっています。

特に水溶性ビタミンは、尿や汗で常に身体の外に出ていきます。

一度に大量に摂取するのではなく、毎食のバランスのとれた食事が大切です。

しっかりとビタミンをバランスよく補給し、体調面を整えていきましょう。

オススメの食材

ビタミンを多く含む食材を確認していきましょう。

マ・・・豆類

豆類にはビタミンが多く含まれます。

納豆にはビタミンKが豊富です。

また植物性タンパク質も豊富で、不足しがちな栄養素補うにはもってこいの万能食材。

枝豆、そら豆、えんどう豆、ひよこ豆、いんげん豆などから豆腐まで様々な種類の豆類を摂取していきましょう。

ゴ・・・ごま、ナッツ等種子類

ゴマやナッツはビタミンEが特に多く含まれます。

身体の酸化を防いでくれるので、美容面にも効果的。

料理に使うだけでなく、間食としても利用することがオススメです。

ワ・・・わかめ、海藻類

海藻類もビタミンを多く含みます。

同時に水溶性食物繊維も豊富で、便秘改善など腸内を整えてくれる効果があります。

こんぶ、わかめ、ひじき、もずくなどが代表的です。

ヤ・・・野菜、果物

野菜や果物はビタミンの王道ですね。

野菜を選ぶ際は、色の濃い野菜を選ぶこと。

色が濃い野菜は栄養価が高いものが多いんですね。

キャベツやレタスだけにならず、ブロッコリー、トマト、人参などを加えていきましょう。

サ・・・魚

魚はビタミンが多くかつ、タンパク質や良質な油を摂ることが出来ます。

できれば、背の青い魚で、なるべく新鮮な状態で食べることが出来るといいでしょう。

ぜひメイン料理を魚料理にしてみてください。

シ・・・しいたけ、キノコ類

きのこはビタミンDが多く、骨を丈夫にしてくれます。

海藻類と同様に食物繊維も豊富な食材です。

エリンギ、舞茸、しめじなどが代表的です。

イ・・・芋類

いも類は、ビタミンや食物繊維を摂ることができます。

糖質の種類もデンプンを多く含むため、急激に血糖値を上げる心配性はありません。

良質なエネルギーの補給をすることが出来ます。

調理でのひと工夫

ビタミンには、脂溶性と水溶性の2つがあるということを書いていきました。

よって、それぞれの特徴から調理法も考えていくことが大切です。

脂溶性の場合

脂溶性ということは、油に溶けやすいということです。

なのでこれらに該当するビタミンA、D、E、Kを多く含む食材を使うときは、炒め物などがお勧めということですね。

例えば、ビタミンAを補給するときに色の濃いニンジンやホウレンソウなどをオリーブオイルで炒めてみるのもいいかもしれません。

ビタミンD摂取のために、キノコを炒めるのもいいですね。

バリエーションは様々ですが、このように調理にひと工夫を取り入れると栄養の吸収がさらにアップしていくでしょう。

水溶性の場合

水溶性の場合は水に溶けやすいというポイントがあります。

これで気をつけたいことは、茹で料理です。

ビタミンを沢山補給しようと、野菜を茹でるのはいいですが、その茹で汁を捨てては勿体無い。

水に溶けるため、それに栄養素が沢山あります。

なるべく活用できるようにスープにするなどがいいかもですね。

また、野菜を食べるときには蒸し料理がお勧めです。

野菜にビタミンが凝縮され、吸収率も上がっていきます。

サプリメントは?

ビタミンを補給するのには、サプリメントも一つの手段になります。

実際に食事の中で不足しているビタミンも多く、また食材自体の栄養価も年々減少しつつあるということから、

サプリメントを摂取することは必須とすら言える状況かもしれません。

そんなサプリメントに関しての考え方を確認していきましょう。

天然のものを選ぼう

サプリメントには天然型のサプリメントと人工型のサプリメントの2種類があります。

天然型のサプリメントは自然界に存在する植物や動物、鉱物から摂取した栄養素を凝縮したサプリメントです。

その見分け方は、表示の先頭に【d】とつくものが天然型だと覚えてください。

例えば、ビタミンEではd-α-トコフェロールと書いてあれば天然型です。

また、裏の表示でも自然界に存在するものが書いてあることがポイントになります。

例えばビタミンCであれば、アセロラやローズヒップから、

カルシウムであれば貝カルシウムなど、食べ物が記載してあるのが特徴的です。

人工ビタミンには注意

人工型のサプリメントは、本来身体の中にはあるはずのない「人工物」を作り出し、低コストの材料で大量に生産されるサプリメントです。

これらには主成分が安全な量以上に含まれていたり、不純物が多く含まれています。

それらを過剰摂取することにより、副作用が起こる可能性が高まっていくとも言われています。

見分け方は、表示の先頭に【dl】とつくのが合成型です。

例えばビタミンEであれば、dl-α-トコフェロールと書いてあれば人工型です。

また他にも食物以外の記載がしてあります。

例えばビタミンCなら、天然はアセロラやローズヒップでしたが、合成型だとアスコルビン酸が使われます。

カルシウムだと、グルコン酸カルシウムやリン酸カルシウムなどです。

サプリメントを飲む際にはその栄養素ではなく、何の食材から摂った栄養素なのかを把握することが大切になります。

基本は食事から

ここまでビタミンについて書いていきました。

なんとなくビタミンが大切という感覚から、明確に大切なことがわかりましたね。

ビタミンを補給するときに、サプリメントなどを利用している方もいいかとは思いますが、

大切なことは、基本は食事からということです。

ビタミンが豊富に含まれる食材を利用して、それが活かされるようにうまく調理をすること。

この記事をお読みいただいたあなたなら、もうきっと大丈夫だと思います。

基本は食事、補助としてのサプリメント。

ビタミンを考えるときにはこの考え方が大切になっていきます。