「炭水化物と糖質の違いは?」

「炭水化物制限しているけど、炭水化物ってそもそも何?」

こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?

そんな方のために今回は、

「炭水化物とは何か」「糖質との違い」「自分の適正量」「糖質制限について」「オススメの炭水化物」などについて書いていきたいと思います。

炭水化物とは?

炭水化物とは、「炭素の水化物」という意味で、

「炭素」「水素」「酸素」

という元素からなる塊のことを言います。

一般的には、「糖質」と「食物繊維」を合わせたものを炭水化物と呼んでいます。

(糖質+食物繊維=炭水化物)

糖質とは?

糖質とは、

・糖類(単糖類・2糖類)

・3糖類以上(でんぷんやオリゴ糖、デキストリン)

・糖アルコール(エリスリトール、キシリトール、マルチトースなど)

・合成甘味料(アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースなど)

を合わせたもののことを言います。

主に、エネルギー源になったり、細胞を正しく保つための栄養素です。

食物繊維とは?

ヒトでは消化・吸収されない栄養素です。

腸内環境を綺麗にしたり、たんぱく質の再合成などに働く栄養素。

最近では、がんの疾病リスクの低減を表示することを承認されている食品成分です。

食物繊維には、

・水溶性食物繊維

・不溶性食物繊維

の2種類があります。

水溶性食物繊維は、「海藻類」「こんにゃく」などに多く含まれ、

不溶性食物繊維は、「穀類」「野菜類」などに多く含まれます。

この2つはバランスが大切で、水溶性:不溶性=1:3くらいを目安に食べていくことが大切です。

自分に合った適切な量は?

糖質や食物繊維をどのくらい取ればいいの?

そんな疑問がある方は参考にしてみて下さい。

糖質編

最低限これくらいは摂りましょう

糖質を唯一のエネルギー源としている脳は1時間に5〜6g消費するので、24時間をかけると、1日最低でも120〜144g必要になります。

糖質のカロリーは1gで4Kcalなので、カロリー表示でいうと、480Kcal〜576Kcalは糖質で摂取していくことが大切です。

上限は?

一時的に糖質を貯めておくことが出来る臓器は肝臓です。

肝臓は一度に大体120gの糖質を貯めておくことが出来ます。

これ以上を一度に摂取してしまうと、あふれた糖質は脂肪として蓄えられてしまいます。

一度に摂る糖質の上限は120gを目安にしていきましょう。

あなたの目安はこれくらい

糖質は、エネルギー(1日の摂取カロリー)のうち50%から60%くらいになることが理想の食事バランスです。

(ちなみに自分の1日摂取カロリーの目安は、体重×21÷0.6で目安が計算できます。)

例えば、1日に2000Kcalが摂取目安なら、そのうち糖質は1000Kcal〜1200Kcalを目標にしていくということです。

糖質は1gで4Kcalなので割っていくと、1日250g〜300gの摂取が計算出来ます。

それを3食で割ると大体1食は83g〜100gが目標になります。

まとめていくと、

・自分の摂取カロリーの目安を計算する

・その数字に0.5〜0.6をかける(カロリーの50%〜60%より)

・その数字を4で割る(糖質の目標摂取量に変換)

・その数字を3で割る(1食分の目安量に変換)

という感じです。

食物繊維編

目標量

食物繊維の1日摂取目標は

・男性20g以上

・女性18g以上

が目安です。

日本人の1日平均摂取量は、戦後の1950年代では平均24gの摂取となっていましたが、2002年には約14gとなり、50年間で約10gも平均摂取量が減少しています。

流行りの糖質制限(低糖質ダイエット)とは?

色々と話題の糖質制限ダイエット。

低糖質ダイエットは、ロバート・アトキンスが考案したダイエット方法です。

別名では、低炭水化物ダイエット・ローカーボダイエット・ケトン式ダイエットとも呼ばれています。

通常1日200〜300gが摂取目標である炭水化物の摂取を20〜40gと少なくし、糖質の代わりに脂肪をエネルギーとして利用するダイエット方法です。

2003年頃北米で大流行となり、成人の7人に1人が取り組むほどにもなりました。

一方で、内臓への負担や体臭による問題、リバウンドのしやすさからアメリカ合衆国農務省によって討論会が開催され、健康上の問題を巡って議論されました。(現在でも議論は続いています)

食べるのと抜くの、どっちが正解?

炭水化物制限(糖質制限)としっかり食べるのどちらがいいのでしょうか?

一緒に確認していきましょう。

基本は食べること

ここまでご紹介してきたように、炭水化物は私たちに人間が生きていく中でとても重要な栄養素になります。

特にエネルギー源としては、他の栄養素でエネルギー源にしようとすると、どうしても身体に負担がかかってしまいます。

その点炭水化物は非常にクリーンなものなのです。

健康的な身体を維持したければ、しっかりと食べるべきだと私は考えています。

極端にならないことが一番

「炭水化物はしっかりと食べましょう!」

とはいっても、現代社会では「余分な糖質」を多く取ってしまっていることも事実です。

その結果、これまでになかった生活習慣病が増えて続けているのが現状。

なので、食べるべきか食べないべきか。

つまり、1か0かという考えではなく、

自分の適正量に合わせてしっかりと炭水化物を食べていくこと。

これがとても大切です。

もし、食べ過ぎで体重が増えてしまったなら、単に炭水化物を減らすではなく、

炭水化物:たんぱく質:脂質のバランスを保った上で、食べる量を減らすべきです。

そして、食べる量を減らしたとしても、ビタミン・ミネラル・食物繊維の摂取量は理想値を保っておきましょう。

具体的にまとめます

まとめていくと、

・ダイエットをして少し体重を減らしたい人は総カロリーの50%

・健康な生活を送りたい人は総カロリーの65%

これを炭水化物の摂取目安にしていきましょう。(詳細は上の「自分にあった適正量は?」を参考にして下さい)

オススメの炭水化物

ここでは炭水化物の中でも特にオススメな食材をご紹介します。

玄米

玄米は精白されてない状態のお米のことを言います。

この状態からぬかを取り除いたものが白米と呼ばれているのです。

玄米に含まれるマグネシウム量は白米に比べて約5倍ほど多く含まれると言われています。

数多くある食品の中でも多くのマグネシウムを含む、かなり優秀な食品の一つです。

いも類

いもには食物繊維やミネラルが豊富に含まれます。

またでんぷんなので、多糖類にあたり、血糖値も緩やかに上がります。

そのため、太る心配は全くありません。

腸内環境も綺麗にする効果もあるので、単に痩せるだけでなく、全身の健康に役立っていきます。

果物

果物は甘いものを食べたくなった時の間食にもオススメです。

間食に代表的なお菓子類は、白砂糖や人工的に作られた果糖などが多く含まれます。

これは血糖値を急激に上げ、イライラしたり、より砂糖を欲するようになりがちです。

果物は食物繊維が多く含まれるので、お菓子よりも血糖値の上昇が緩やかなのが特徴。

またビタミンも補給することが可能になります。

快適に過ごすことが目標なら、バランス良く食べましょう!

炭水化物や糖質は、世の中に様々な情報が出回っています。

なので、「一体どれが正しいの?」と困ってしまいますよね。

その中で大切なのは、栄養素をバランス良く摂取することだと私は考えています。

健康的な身体を作りたい人は自分の炭水化物の適正量を把握し、しっかりと食べていくことをオススメします。