「ダイエットしたいけど、アブラはどのくらい摂ればいいの?」

「アブラの種類って色々あるみたいだけど、よくわからない。」

「身体にいいアブラと悪いアブラを知りたい」

など、アブラについて疑問に思われることは多いかもしれません。

今回はそんな方のために、アブラの種類や効果、目標摂取量からオススメのアブラなどについて書いていきたいと思います。

アブラとは

アブラは栄養学的に脂質とも呼ばれます。

脂質自体は厳密な定義が存在しません。

一般的には、生物から分離される水に溶けない物質を総称したものと言われています。

アブラの効果

アブラは身体にとってどのような効果があるのでしょうか?

確認していきましょう。

細胞の膜を構成

私たち人間は、約60兆個の細胞からできていると言われています。

その約60兆個の細胞一つ一つには膜があります。

この膜を作ってくれているのがアブラなのです。

アブラをしっかりと摂っていくことにより、結果として脳の活性化や美容の効果に繋がっていきます。

ホルモンの材料に

アブラは副腎皮質ホルモンや性ホルモンなどの材料になります。

これによって、女性らしい身体つきや男性らしい身体になっていくのです。

身体作りをしているのであれば、アブラをしっかりと取ることは必須になります。

ビタミンの供給

アブラには脂溶性ビタミンの供給源となる効果があります。

特に、

・ビタミンA

・ビタミンD

・ビタミンE

・ビタミンK

といったビタミンは、脂溶性ビタミンと呼ばれ、アブラに溶けやすいビタミンです。

アブラはこの脂溶性ビタミンを溶かし、ビタミンの供給源になっていきます。

目標摂取量

身体をどのように変えたいかによって、目標摂取量は変わっていきますが、

一般的に、油の摂取目標量を割合で考えると、

食事全体のカロリーの20%~30%の間くらいがオススメです。

上限としては、

体重×1g分くらいの量が上限になります。

アブラにはどんな種類があるの?

 

アブラを分けるときには、いろいろな分け方がありますが、

簡単に分けると、

・脂

・油

となります。

脂は主に、飽和脂肪酸というものを多く含んだ動物性脂のことを言い、

油は主に、不飽和脂肪酸を多く含んだ植物性油のことを言います。

不飽和脂肪酸は、オメガ3系脂肪酸、オメガ6系脂肪酸、オメガ9系脂肪酸

に分類することが出来ます。

これら脂や油は自然界に存在するものですが、

それを人工的に作った人工油脂も存在します。

トランス脂肪酸という言葉を何処かで聞いたことがある方もいるかもしれませんが、

それがこれにあたります。

まとめていくと、

「自然界のアブラ」

・飽和脂肪酸(主に動物性脂)

・不飽和脂肪酸(オメガ3、6、9に分類することが出来、主に植物油)

「人工アブラ」

・トランス脂肪酸

となります。

もっと詳しく知ろう!

アブラの種類については少し理解が深まったかと思います。

それではより詳しく確認していきましょう。

飽和脂肪酸

免疫力の向上、コレステロール・中性脂肪の増加、血小板の凝縮などの効果があります。

これは、主に牛・豚・鳥などの動物性脂です。

飽和脂肪酸は、常温で固形であることが多い脂です。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は常温で液体であることが多いです。

主に3種類あるので、一緒に確認していきましょう。

オメガ3系脂肪酸

血圧の効果作用や抗動脈作用、内臓脂肪燃焼や中性脂肪・コレステロール低下などの効果があります。

亜麻仁油・えごま油・青魚などに多く含まれる油です。

身体にとっていい効果が沢山ある油です。

しかし、油が酸化しやすく、熱に弱いというデメリットもあります。

オメガ6系脂肪酸

過剰に摂取すると、身体の中にある細胞の膜を硬くしたり、皮膚炎やアレルギー症状などを促進すると言われています。

含まれるものとしては、紅花油・ひまわり油・コーン油・大豆油・ごま油・サラダ油などの調理油に多く含まれます。

一般的には、調理の際このような油を使用することが多く、多くの人が過剰摂取している傾向です。

オメガ9系脂肪酸

心臓病の発病低下やコレステロールの低下、胃酸分泌の調整などを行い、身体にとってはいい油です。

これは、オリーブ油・ナッツ類・チョコレートなどに含まれる油です。

オメガ9は身体にいい油ですが、体内からも合成することが出来、必須で取る必要はありません。

しかしオメガ3とは違い、熱を通しても大丈夫な油なので、調理で使用する際にオススメの油です。

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、液体の植物油を水素添加することによって固体化させる人工の脂肪酸になります。

今まで紹介してきたアブラとは違い人工物の為、人間の酵素が働かず、

・細胞膜が硬くなる

・神経伝達物質の制限

など、身体にとって様々な影響を与えていきます。

代表的なものは、マーガリン、ショートニング、ファットスプレット(コーヒー用ミルク)などです。

これらの摂取は極力控えた方が良いと言われています。

アブラ摂取のポイント

それでは具体的にどのようなアブラを摂ればいいのでしょうか?

オススメとNGなアブラと摂取の理想的な割合をご紹介します。

オススメのアブラ

亜麻仁油

亜麻仁油は成熟した亜麻の種子から得られる油です。

亜麻の種子を潰し、抽出することで得ることができます。

これはオメガ3の代表的なアブラで、とてもおすすめのアブラ。

熱に弱く、酸化しやすい特徴があるため、調理に使ったり、長期間保存することはあまりよくありません。

開封後はなるべく早く使い、またドレッシング代わりに生で使用することがオススメです。

えごま油

えごま油の原料はシソ科の一年草のエゴマという植物です。

青じそによく似ており、えごま油はしそ油(紫蘇油)やしその実油、しそオイルなどという別名もあります。

効果は亜麻仁油と似ていて、オメガ3を多く含む油になります。

こちらも酸化しやすく、熱に弱いので、摂取の仕方には気をつけていきましょう。

青魚

EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を含むアブラです。

これらは脳細胞の活性化に繋がったり、痛みを和らげる効果もあります。

魚は同時にタンパク質も摂取することが出来るため、お肉よりもオススメのおかずと言えるでしょう。

オリーブ油

オメガ9系脂肪酸を多く含むアブラ。

オリーブ油は熱に強いため、炒め物など調理をする際にオススメの油です。

生で食べるものは亜麻仁油。調理の時はオリーブ油という感じで使い分けをするといいでしょう。

ナッツ

ナッツもオメガ9系脂肪酸を多く含む食品。

アブラは、胃の滞在時間が他の栄養素と比べて長いため、満腹感を感じることが出来ます。

そのため、間食などで上手くナッツを取り入れていくと、食事を我慢することなく、ダイエットをすることが出来ます。

控えめになアブラ

動物脂

牛、豚、鳥など、また調理ではバターなどをつかうことがあると思いますが、これらの脂はなるべく控えていくことがオススメです。

もちろん全く避けるべきではありません。

ただ、思った以上に取りすぎていることが多い脂なのです。

上に書いたオメガ3の油と同じくらいの割合になるように食べていきましょう。

調理油(大豆油・なたね油・サラダ油など)

一般的に調理で使うは、これらの油を使うことが多いのではないでしょうか?

これらの油はオメガ6系脂肪酸を多く含みます。

こちらも動物脂と同じで、とりすぎてしまっていることが多い油。

少し控えめにするくらいが丁度いい油になります。

NGなアブラ

マーガリン

一昔前は、バターよりもマーガリンがいいと言われていましたが、このマーガリンは、人間が人工的に作った人工アブラになります。

これは心臓や血管、脳などに悪い影響を与えるという実験結果が多くあると言われています。

出来るだけ、口にしないようにしていきましょう。

ショートニング

「サクサク」とした食感をもたせるために使用することが多いアブラ。

クッキーなどのお菓子などに多く使われたりしますね。

こちらもマーガリンと同じく人工アブラになるため、なるべく控えていきましょう。

理想の割合は?

オメガ3:オメガ6:飽和脂肪酸:トランス脂肪酸=1:1:2:0

の割合を目指してくと良いと思います。

現代の食生活では、

オメガ6と飽和脂肪酸、トランス脂肪酸に多く偏る傾向があり、

オメガ3が不足がちになります。

特にオメガ3とオメガ6の割合が崩れやすく、

理想的な割合は1:1ですが、現代食では1:50くらいになってしまう人が多いとも言われています。

アブラを取るときは、なるべく飽和脂肪酸やオメガ6、トランス脂肪酸を避けて、

オメガ3やオメガ9を摂取していくようにするくらいで、ちょうどいいバランスになると思います。

アブラの摂取に大切なこと

摂取する時に重要になるアブラの種類は、オメガ3の摂取です。

オメガ3には、

・肌を綺麗に保つ

・中性脂肪の低下

・コレステロールの低下

・血管を柔らかくする

などの効果があります。

逆に、飽和脂肪酸やオメガ6、トランス脂肪酸にはこれと逆の効果があります。

身体の中からより良い身体作りをしたければ、オメガ3を積極的に摂取して、その他を極力控えるように心がけていきましょう。

まずは、何を食べない、そのあとに

ここまでアブラについてのポイントを書いていきました。

簡単まとめると

・しっかりとオメガ3を摂取(なるべく生で)する

・熱料理にはオリーブ油を使用する

・飽和脂肪酸やオメガ6を極力控える

・トランス脂肪酸は口にしない

ということです。

その中でも特に大切な考え方は、

何を摂るかを考えるよりまず先に

何をとらないかを優先にするということです。

つまり、オメガ3を取ることも大切だが、

まず先に飽和脂肪酸やオメガ6、トランス脂肪酸を控えることを優先にするということです。

どんなにオメガ3などが身体に良いからと言っても、

飽和脂肪酸やオメガ6、トランス脂肪酸を多く摂取していてはただの脂質過多になります。

まずは、

・優先して取りすぎているアブラをとらないこと。

・その次に不足しがちなアブラをとっていくこと。

この考え方が、アブラの摂取を考えるときにはとても大切になります。