「タンパク質って大事なのはわかるけど、何が大切なの?」
「どのくらい1日に摂取すれば良いのかな?」
「オススメのタンパク質は?」
など、タンパク質に関して疑問に思われている方も多いかもしれません。
そんな方のために今回は、タンパク質についてや目標摂取量、またオススメのタンパク質などについて書いていきたいと思います。
Contents
タンパク質とは
「タンパク質とはそもそも何か?」「アミノ酸やペプチドと何が違うの?」
そのような疑問にお答えしていきます。
タンパク質とは
タンパク質とは、20種類のアミノ酸が鎖状に多数連結して出来た高分子化合物のことを言います。
窒素を含むことが特徴的です。
構成するアミノ酸の数や種類、また結合の順序によって種類が異なり、その数はとても膨大です。
またタンパク質(プロテイン)の語源は、ギリシャ語のプロテイオス(最も大切なものという意味)にあります。
漢字では蛋白質と書きますが、「蛋」は中国語で卵という意味、そして卵白の主成分がたんぱく質だから「白」になったとも言われています。
アミノ酸とは
アミノ酸とは、アミノ基とカルボキシル基と呼ばれる化学式をもつ有機化合物の総称です。
簡単に言えば、タンパク質を分解したらアミノ酸になるということ。
イメージとしては、タンパク質がビーズで出来たネックレスだとする、アミノ酸がビーズです。
ビーズも星型や三角型、丸型と様々な形でアレンジができるように、
アミノ酸にも色々種類があります。
また、様々な配列でネックレスも作れるので、種類も豊富になると思います。
つまり、アミノ酸には様々な種類があり、そのアミノ酸の配列でタンパク質が決定するということ。
タンパク質とアミノ酸はそんなイメージになります。
ペプチドとは
ペプチドとは、アミノ酸が結合したもの
アミノ酸の数が2個・・・ジペプチド
アミノ酸の数が3個・・・トリペプチド
アミノ酸の数が4個・・・テトラペプチド
アミノ酸の数が多数・・・ポリペプチド
アミノ酸がさらに多いものは先ほど書いたタンパク質です。
(ちなみに、ポリペプチドとタンパク質との境界線は曖昧であると言われています)
タンパク質の役割
タンパク質は大切とは言いますが、具体的に何が大切なのでしょうか?
一緒に確認していきましょう。
身体(各組織)の構成
タンパク質にはとても多くの種類が存在します。
よく、タンパク質=筋肉と理解されている方も多いですが、実際には筋肉のほかに臓器、皮膚、爪、髪など、カラダのあらゆる組織を作る成分となっています。
したがって、タンパク質が不足すると臓器や皮膚、爪、髪などカラダのあらゆるところに異常が現れはじめます。
皮膚や爪、髪の毛などが正常に保たれているのもタンパク質のおかげなのです。
酵素やホルモンの材料
タンパク質は酵素やホルモンの原料となります。
酵素とは、食べたものを消化し、排泄にするまでの課程に関係するものです。
酵素やホルモンは生物が生きていくために欠かせない物質でそれの原料となるのがタンパク質なのです。
栄養素の運搬
タンパク質は身体の各組織に栄養を運ぶ役割を果たします。
身体に脂質を運ぶアポタンパク質・リポタンパク質の材料となったり、
酸素を身体中に運ぶヘモグロビンの材料になります。
神経伝達物質の合成
ドーパミン・セロトニン・アドレナリン・ノルアドレナリンなどの神経伝達物質を合成します。
これにより私たちの感情や思考が作られているのです。
摂取目標
一般的には、1日当たりに体重につき1〜1,5g程度のタンパク質量が必要と言われています。
例えば体重が50kgなら、1日に約50〜75gということですね。
最低でも0.6g/kgは摂ることが必要になります。
一方で、過剰摂取も身体に負担をかけます。
過剰なタンパク質の摂取は腎機能の低下に繋がり、骨量やインスリン機能の低下にも繋がる可能性があります。
消化、吸収、代謝においても身体に負担がかかるため、過剰の摂取は控えていきましょう。
種類は?
タンパク質の種類は大きく2つに分けると、
・動物性タンパク質
・植物性タンパク質
に分けることができます。
動物性タンパク質とは、
・肉
・魚
・卵
・乳製品
などがあり、一方植物性は、
・豆類(豆腐なども)
・麻(ヘンプ)
などが存在します。
動物性と植物性のタンパク質は、バランスをよく摂ることが健康な身体のポイントになります。
出来れば、1:1の割合で食べていくことが大切です。
もし体重が60kgで1kgあたり1gを食べるのであれば、
動物性から30gと植物性から30gを摂っていくことを1つの目安にしていくということ。
こんな感じで、自分が食べる目安量を決めてみてください。
オススメのタンパク質
オススメタンパク質をご紹介します。
ぜひ参考にしてみて下さい。
積極的に摂りましょう!
豆類
植物性タンパク質の代表格。
タンパク質はもちろんのこと、ミネラルも多く含むため、身体の調子を整えてくれます。
無駄な脂質も少なく、タンパク質を摂る上では第1優先の食材です。
また女性にはホルモンバランスの乱れを改善してくれる効果もあります。
それは大豆に含まれているイソフラボンというものが、女性ホルモンであるエストロゲンに似た作用があるからです。
豆腐
豆腐も大豆の1種です。
大豆の絞り汁をにがりなどの凝固剤によって固めた食品です。
豆腐の効果はほとんど豆類と同じです。
調理の際のバリエーションとして上手く取り入れてみてください。
魚類
動物性タンパク質での第1優先食材は、魚です。
魚はタンパク質が豊富なだけでなく、脂質もとても良質です。
特に、青魚の油にはDHAやIPAといった良い油が豊富に含まれます。
出来れば、生で新鮮なものが食べられるといいですね。
バリエーションとして!
卵
卵も動物性タンパク質の1つ。
調理などにも使い勝手がよく色々とバリエーションも増やせるかと思います。
動物性たんぱく質は魚をメインとしつつも、卵も補助的に入れられるといいと思います。
お肉
お肉はタンパク質が豊富です。
その分、飽和脂肪酸を多く含んだり、リンというミネラルが過剰になりやすかったりすることも多いです。
卵と同様に、魚の補助として利用するのがいいかと思います。
エネルギー源としては
エネルギー源として活用できる栄養素は、主に
・炭水化物
・タンパク質
・脂質
の3つになります。(3大栄養素)
糖質と脂質が体内でエネルギー源として利用されると、それによってできる老廃物は水と二酸化炭素です。
二酸化炭素は呼吸から、水は汗や尿などで排泄されます。
一方でタンパク質ですが、上の2つの栄養素と違い「窒素」を含みます。
よって老廃物として、アンモニアを生み出します。
そのため、アンモニアを無毒化するために肝臓や腎臓といった臓器に負担がかかってしまうのです。
エネルギー源としてのタンパク質は効率が悪いため、
健康的なダイエットをしたければ、エネルギー源は炭水化物や脂質からと考えることが大切になります。
腸内細菌も大切
ここまでは、一般的によく言われているタンパク質「摂取」について書いていきました。
しかし、もう一つタンパク質には大切な考え方があります。
それは合成すること。
先ほど書いたタンパク質の摂取目標はあくまで目標ですが、
世の中には全くタンパク質を食べないでも、何十年も健康的に生きている人々が存在するようです。
その方々と一般の方との違いは、腸内細菌の数。(なんでも草食動物並みとか)
それにより、腸内でタンパク質を自分で生成や再合成することができるのです。
そのため大切なのは、腸内環境をしっかりと正常に保つことであり、そのために必要な栄養素は食物繊維です。
食物繊維をしっかりと食べ、腸内環境を保つことにより、健康的な身体が保てるのです。
「摂取、摂取。」と過剰にタンパク質の摂取を勧められる現代ですが、
自分自身の身体で合成できる環境作り(腸内環境を正常に保つ)といったことにも目を向けた行くことが大切になると感じます。
極端にならず・・・
さてここまで、タンパク質について書いていきました。
タンパク質に関しても様々な考え方があり、正解はひとつではありません。
ただひとつ言えることとしては、
極端にならない
ということです。
つまり、
・全く食べない
・食べ過ぎない
といったシンプルなこと。
近年は栄養バランスの偏りから、「タンパク質を全く食べない人」と「流行りの高タンパク食を実践する人」のどちらかに偏っている傾向があります。
大切なのは、1か0かということではなく、目的に合わせて、適度に摂取をしていく事。
その中で、
・自分の体重×1gを摂取目標に
・腸内環境を正常に保つ(食物繊維をしっかりと摂る)
ということを1つの参考にしてみて下さい。