「なんだか寝ても、疲れが取れない・・・」
「朝から憂鬱な気分・・・」
「しっかりとした睡眠を取るにはどうすればいいの?」
そんな疑問をお持ちの人も多いかもしれません。
今回はそんな方のために、睡眠と身体の関係からメカニズム、また快適な睡眠のための条件などについて書いていきたいと思います。
Contents
睡眠と身体の関係
睡眠は快適な身体を作るためのとても重要なポイントになります。
睡眠とは?
睡眠とは、
眠ること、つまり周期的に繰り返す、意識を喪失する生理的な状態のことを言います。
それは身体の休養であり、消極的休養に分類されます。
主に大脳と身体の疲労回復や修復などのメンテナンスのために行われる行為です。
睡眠による効果
疲労の回復
しっかりとした睡眠が取れるのと身体の回復に繋がります。
体内の修復・回復を促す成長ホルモンが多く分泌され、体内での代謝活動が促進されるのです。
脳も休まり、自律神経の働きが整うため、疲れた身体をリセットさせる効果があると言えます。
記憶の定着
「一夜漬けの勉強は良くない。」
よく聞くことかもしれませんが、睡眠は記憶と密接な関係があります。
睡眠中には、起きている時の体験を整理して、記憶として脳に定着させる働きがあるのです。
少し専門的に書くと、深い眠り(ノンレム睡眠)で体験した感情などを整理し、浅い眠り(レム睡眠)で記憶として定着させるリズムを作っています。
しっかりと睡眠をすることは、記憶能力を十分に生かすことに繋がっていきます。
美容、肥満防止効果
睡眠は満腹感を感じさせるホルモンと密接に関係しているため、しっかりと睡眠をとらないと、いつもでも満腹感を感じない身体になってしまいます。
逆に、しっかりと睡眠が取れていれば、食欲のコントロールをすることができるようになるとも言えます。
食べても食べても食欲が止まらないという人はもしかすると睡眠時間が足りていないかもしれません。
また、睡眠中には成長ホルモンというホルモンが分泌されます。
これは肌のターンオーバーを向上させ、美しい肌質を作るのに不可欠なものです。
深い睡眠の時間帯が多いほど成長ホルモンが分泌され、肌にも好影響を与えるとされています
美容やダイエットのためにもしっかりとした睡眠が必要であると言えるでしょう。
睡眠のメカニズム
睡眠の状態は主に、
・レム睡眠
・ノンレム睡眠
の2つに分けることが出来ます。
レム睡眠は、覚醒時に似た脳波で波が小さく、脳が活発に動いている状態です。
この時は、呼吸は浅く、交感神経が優位な状態で、眼球が活発に活動しています。
ノンレム睡眠とは、睡眠中の脳波が大きく緩やかな波を描く睡眠で、主に深い睡眠のときの状態です。
この時には脳が活動を低下させ、休息をしています。
この状態がしっかりとと取れていれば、脳の回復に繋がり、質のいい睡眠になると言えます。
いい睡眠が取れるかどうかは、全体の時間を長くするかとではなく、いかに深いノンレム睡眠が取れるかどうかであると言われています。
量ではなく、質を重視しよう!
一般的には、睡眠時間の合計をしっかりと確保することがいい睡眠であると思われがちです。
しかし、実は睡眠時間が長ければ長いほどいいというものではありません。
また同時に短いから不健康であるということにもなりません。
そもそも睡眠の時間は、個人差や年齢差が大きいものなのです。
睡眠を良くしたければ、何時間寝るということを最優先事項に考えるのではなく、
いかに睡眠の質を高められるか、つまりそのための環境整備を行なっていくことの方がはるかに大切になるのです。
快眠のための条件
質のいい睡眠を取るためには、いかに深いノンレム睡眠をするかがポイントでした。
そのための条件を確認していきましょう。
正しい生活リズム
身体の中には、生活リズムを刻んでいる「体内時計」があります。
脳はこの体内時計のリズムに従い、身体の中の調子を整えるようにしています。
なので、日常の生活リズムが崩れてしまうと、睡眠の質も落ち、疲れがなかなかとれないような状態になってしますのです。
仕事等個人差がありますが、できるだけ一日のリズムを変えずに正しい生活を送っていくことで
睡眠の質が上がっていきます。
適度な運動
日中に適度な運動を行なっていくことによって、夜は入眠しやすくなる傾向があります。
これは波のようなもので捉えていくとわかりやすいです。
つまり、身体を活性化させるほど、それと同じ波の大きさでその後にリラックスさせる状態になるということ。
運動を取り入れていくと、寝つきを良くしたり、深い睡眠が出来るようになるなど様々なメリットがあります。
快適な睡眠のためにも日中にできるだけ身体を動かしていきましょう。
バランスのとれた食事と時間
バランスのとれた食事をしっかりと摂っていくことは、快適な睡眠をするためのとても重要なポイントです。
理由は、消化に悪いものを食べると内臓が疲れてしまうため、睡眠中も消化活動が続いてしまうから。
消化活動は身体の回復よりも優先的にエネルギーとして働くため、消化が多いと身体の回復が遅れてしまうというわけです。
その意味では、食事時間(特に夜)を何時に済ませておくかということも大切なポイント。
少なくとも睡眠の3時間前、できれば5時間前に済ませておくといいと言われています。
また、睡眠にはメラトニンというをホルモンを作ることが大切になります。
メラトニンが分泌されると、脈拍・体温・血圧などを低下させます。
これによって、睡眠の準備が出来たと身体が認識し、睡眠に向かわせるのです。
メラトニンを作るために特に重要な栄養素は
・トリプトファン
・ナイアシン
・マグネシウム
になります。
これらの栄養素は、
大豆やバナナ、くるみ、魚、海藻類やナッツ類に多く含まれます。
これらの栄養素をしっかりと摂っていくことによって、快適な睡眠に近づいていきます。
入浴・ストレッチ
寝る時間の1〜2時間前に入浴をすることによって、体がリラックス状態になり、入眠しやすくなります。
できれば温度は39〜41度で、時間は20分程度にするとさらに効果的になります。
これよりも低い温度や高い温度、また長時間の入浴は逆に身体を活性化させる効果があるため、睡眠前にはあまりお勧めではありません。
また、入浴後のストレッチも快眠のためには重要です。
筋肉を伸ばすことにより、血流が良くなり、疲労物質が溜まりづらくもなります。
あまり反動は使わずに、呼吸とともにゆっくりと伸ばしていくストレッチがおすすめです。
呼吸法の確認
呼吸法が乱れていると、睡眠がうまく取れない原因になります。
呼吸法には、
・胸式呼吸
・腹式呼吸
の2つがあります。
質のいい睡眠には腹式呼吸で呼吸をすることがオススメです。
腹式呼吸は、副交感神経が優位になり、リラックスする効果があります。
試しに椅子に座って目を瞑ってみてください。
息を吸った時に、身体が重く、重心が下がるような感覚があれば、腹式呼吸が出来ていることが多いです。
逆に、身体が軽くなり、上にあがるような感覚がある人は胸式呼吸の可能性があります。
できるだけ、吸った時に重心が下がるようなイメージで呼吸をすると腹式呼吸がうまくなっていくでしょう。
最初は仰向け寝ると意識がしやすいです。
仰向けになったら、手を胸とお腹に置きます。
息を吸った時に胸だけが高くなるのではなく、お腹も動くように意識してみてください。
出来れば、就寝前の1分間でもいいので継続して練習してみることをオススメします。
不眠になりやすい条件
現代社会を生きる私たちの周りには、快適な睡眠を妨げる要因がいくつも存在します。
出来るところから、改善できるようにしていきましょう。
生活の問題
姿勢
背筋が丸まってしまう姿勢を長時間続けていると、呼吸が浅くなります。
すると、睡眠中の呼吸も浅くなり、身体中に酸素が行き渡らなくなってしまします。
また長時間同じ姿勢を続けると体が硬くなり、血流も悪くなるので、身体の回復が遅くなります。
正しい姿勢を保ちながら日常生活を送ることは、しっかりとした睡眠をとることにとても重要なポイントになります。
光
ブルーライトという言葉を聞いたことはあるでしょうか?
これは早朝の朝日などから多く出る光のことです。
このブルーライトは身体を活性化かさせる効果があります。
ちなみに海が青く見えるのも、太陽から出るブルーライトが反射してそのように見えるのです。
このブルーライトは、携帯電話やパソコンなどの電子機器の画面からも出ています。
つまり、夜寝る前などにスマホやパソコンを使用することは、結果的に活性化させる光を見てしまっているということになるのです。
よって、睡眠の質が低下し、寝起きも身体の疲れがとれないような感覚になる人がとても多い。
出来るだけ、夜の電子機器の使用は避けていくことがいい睡眠を取るために重要なポイントになります。
喫煙
喫煙と不眠にはとても強い関係があります。
喫煙者が不眠を訴える割合は、非喫煙者の5倍程度であるという研究結果もあるほどです。
タバコを吸う人は睡眠をとったとしても、浅い睡眠の時間がとても長く、深い睡眠が取りづらい。
また、タバコに含まれるニコチンは身体の覚醒作用があり快適な睡眠を妨げます。
タバコは、百害あって一利なしということですね。
栄養の問題
暴飲暴食
胃の中に食べ物が残った状態で睡眠を取ると、身体の回復が上手く出来ず、睡眠の質も低下します。
これは消化活動が身体の回復よりも優先的に働くからです。
特に過度な糖質や脂質の摂取、バランスの崩れた食事をすると消化活動が遅れ、睡眠に影響を与えていきます。
できれば、食事は睡眠の5時間前までに済ませておくことが理想的と言えます。
アルコール
お酒を飲むと寝やすくなるのでは?と思う人も多いかもしれません。
確かに、アルコールは寝つきが良くなる傾向があるみたいです。
しかし、通常の睡眠であれば入眠後に浅い睡眠から入り、徐々に深い睡眠に移動するところを、
アルコールを摂ってしまうと、いきなり深い睡眠に入ってしますのです。
いきなり深い睡眠に入ると、結果的に睡眠の質が落ちる傾向があります。
また、お酒を大量に飲んだ時には夜中に目が覚めやすくなることがありますが、
それはアルコールがアセトアルデヒトという毒素に分解されることにより、喉が渇き、交感神経が刺激されて目が覚めてしますのです。
睡眠の質を高めたければ、お酒の量もコントロールしていく必要があります。
カフェイン
コーヒーやお茶に含まれるカフェインも、睡眠を妨げる要因の一つになります。
できれば、就寝の5時間前にはカフェインの入っている飲料の摂取を控えていくことが大切です。
心の問題
イライラや精神的ストレス、悩みなどからも睡眠に影響が出てきます。
また、睡眠ができないことに対してもストレスを抱えてしまうとさらに悪循環に陥ってしまう人も多い傾向です。
眠れないことは必ずしも悪いわけではありません。
眠れないとそれ自体がストレスになったり、焦ってしまう人も多いかと思いますが、そういう人は眠れないことは必ずしも悪いことではないということを覚えておきましょう。
睡眠には、身体の休息や回復、そして記憶の定着や整理という効果があります。
この記憶の定着というものを避けて、身体があえて睡眠をとらないでおこうということも多々あるのです。
つまり、嫌なことや怖い経験、過度なストレスがある状態で睡眠をとってしまうと
それが記憶として定着されてしまうため、あえて身体がそれを無意識に拒んでいるということですね。
実際に、そのような睡眠とトラウマとの関係を研究したチームも存在します。
もしかすると不眠は一種の身体の防衛反応なのかもしれませんね。
なので、寝られない時はそのことにストレスを抱えたり、焦ったりするのではなく、
その状況を受け入れていくということも大切になると思います。
体質との関係も
睡眠時間は一定の原則がありますが、それ以外にも個人差があると言われています。
一般的な睡眠時間は6~7時間程度と言われていますが、それ以下でも大丈夫な人や逆に全然足りない人もいます。
6時間以下でも全然大丈夫という人はショートスリーパーと言われています。
また10時間くらいは寝ないと体調が悪いという人をロングスリーパーと言います。
ナポレオンやエジソンはショートスリーパー、アインシュタインはロングスリーパーで有名でしたね。
このように個人差があるため、必ず6時間の睡眠でないといけないと決めつける必要はないと言えます。
大切なのは、自分にとって快適な睡眠を取るための行動をとることであるということをお忘れなく。
出来るところから
ここまで、睡眠のメカニズムから快眠の条件、また不眠の原因について書いてきました。
色々当てはまる点が多かったのではないでしょうか?
現代社会を生きる私たちは、様々なことから睡眠の質を下げてしまっています。
・深夜までの仕事をする
・夜中の電子機器の使用する
・夜ごはんが遅くなる食事
・時間短縮のため入浴をシャワーだけにする
などなど。
挙げればきりがありませんね。
こういうことの積み重ねが、睡眠の低下に繋がってしまい、
さらに身体に別の悪いことを引き起こしてしまうことになるかもしれません。
しかし、いきなり生活のリズムを変えることは難しいです。
まずは1つでいいので、生活の中で変化を
それを習慣にし、1つ1つ積み重ねて変化をさせていくことで、きっと大きな変化に繋がっていくと思います。
できるところから、少しずつ変化を加えていくことが、質のいい睡眠に変え、より快適な生活を送るポイントになります。